力率改善電源という耳慣れない言葉。
今回はとっても痛い目に逢いました。不幸な人が増えないようここにメモを書いておきます。
当社はサーバー設置を数多く手がけております。もちろんサーバーにはUPS(無停電電源装置)はつきものです。
停電はもちろん、雷や電気的なノイズから大切なPCやサーバーを守ってくれます。
基本的にはコンセントからの電気の供給が正常な範囲を超えた場合に、蓄電したバッテリから安全な電気をサーバーに供給するというものです。
だけど、このUPSとサーバー機器に相性問題があるとしたら。。
悲劇の組み合わせは以下の通り。
APC RS 1200 と DELL PowerEdge T410 です。
サーバー向けのUPSで有名な会社と言えばAPCですよね。今までUPSの事故などは皆無でしたので
今回も上記の組み合わせを発注しました。
色々と設定して、最後にUPSの連携テストをするのが習慣でしたので、最後にUPSの電源を引っこ抜きます。
本当なら設定している5分後には、サーバーが安全にシャットダウンするようになっています。
(しーん)
ん? 何が起こった? モニタがまっくらになったぞ??
あれ? サーバーの電源ランプが点滅している??
あれ?スタンバイ状態になるんだっけ??
いや、おかしい。
どうなってるんだ??
げ!?
さっきまで丁寧にセッティングしたサーバーが、見事に落ちてました・・・。
おいおい、RAID壊れてないか?? っていうか一体どういうこと??
UPSの負荷は0になっています。。
真っ先に思ったのは、消費電力オーバーですが、理論値は全然問題なさそうです。
次に、サーバーの電源ランプが点滅していることが気になりました。
そしてサーバーのログにエラーが。。。
(なに??UPSからの出力が5Vだと?)
RS 1200は出力電圧を見ることができるタイプなので、LCDディスプレイをのぞいてみました。
そうすると、100Vを供給しているようです。
と繋いでみると、他の機器は問題なく動作します(同じ DELL の PowerEdge T110は正常)
(っていうことは、T410が故障??)
早速デルに問合せするが、よく考えるとコンセント直結や、UPSでもバッテリ運転に
なっていない場合には、問題がない。。 色々話しをしているうちにあることがわかった。
このRS 1200が紹介されているAPCのサイトに気になる言葉が、、
「注意:1.力率改善された電源を使用した機器と本製品を接続すると本製品又は接続機器が故障することがあります」
な、なに〜?
故障することがある? っていうことは電源が落ちるってことか。。
そもそも力率改善電源ってなんじゃ? と再度DELLさんと話をする。
DELLにも確認してもらった結果、T100やT110は力率改善電源ではないが、T410は力率改善電源対応だそうです。
APCに電話し、これまでの経緯を話しすると、力率改善電源を使用している機器には使えません。ということです。
それもキッパリと言われました。
といっても仕方がないので、代わりにどれを使えばよいかと確認しましたら、APC SmartUPSの機種以上であれば
問題がないということでした。
最近の機器やサーバーには、力率改善電源を使用するものが増えているそうです。
APCのUPSを使う場合、RSシリーズやESシリーズは使わない(使えない)場合があるので注意しましょう。
おそらく同じくひどい目にあった方もこれから増えてくると思いますが、、、
メーカーさん、サーバーにはUPSがつきものです! 「力率改善電源を採用しています」っている記載を
きちんとして頂けないでしょうか〜。